AI×画像認識・画像解析の活用事例

 2020年09月28日

AI×画像認識・画像解析の活用事例

深層学習の登場によってAI(人工知能)の計算能力が飛躍的に向上したことで、現在では音声認識からデータ分析、画像処理など、様々な分野でAIが精度を上げています。
特に画像認識・解析はAIが得意とする分野であり、高精度で画像や映像から特徴量を抽出することができます。
このようなAIによる高度な画像認識・画像解析は医療から生産、マーケティングに至るまで研究開発や実用化が進んでおり、結果、様々な業務を自動化することが可能になっています。このことから各分野ではコストや時間の削減、業務プロセスの効率化、精度向上など、大きなメリットがもたらされています。

 

目次

①AIによる画像認識・画像解析とは

②検品工程における不良品判定、生産結設備の故障予兆

③医療における病理検査

④製造業においても画像認識AIの導入が進む

⑤防犯カメラでの不審者検知

⑥SNSにおける画像解析

⑦まとめ

 

AIによる画像認識・画像解析とは

そもそも、画像認識技術とはどのようなものなのでしょうか。まずは、画像認識技術について詳しく理解していきましょう。

画像認識技術とは、画像データや動画データから特徴を掴み、対象となる物を識別していく「パターン認識技術」のことです。私たち人間は、画像に写っている物が何なのか、これまでの「経験」に基づいて判断していくことができます。しかし、コンピューターの場合は画像に写っている物が何なのかを理解することはできません。それは、私たち人間における「経験」がコンピューターには記憶されていないからです。

ただし、大量の画像データを用意して、対象物の学習を行わせれば、コンピューターも未知の画像を見た際の「判断」を行えるようになります。その対象物が何であるかを「確率」で表現することができるようになるのです。

こういった画像認識技術の歴史は古く、1960年頃から研究は行われていたといいます。当時はコンピューターの性能が低く、さらに高額であったため、大学の研究機関など一部の分野での活用がメインとなっていました。

しかし、近年は一般家庭にもコンピューターが普及され始めており、より手軽にコンピューターを利用することができるようになったため、コンピューターでの画像認識はもちろんのこと、デジタルカメラやスマートフォンといった機械にも画像認識技術は活用され始めています。

そんな画像認識技術の仕組みとしては、まず、前段階として画像から対象物を抽出する必要があります。人間の場合、画像から対象物を視覚で判断することができますが、コンピューターにとって画像はあくまでもピクセルごと(色合いや明るさ)の集合体に過ぎません。

また、対象物もいろいろな角度や大きさ、明るさで画像内に存在しています。そのため、コンピューターからすれば、ノイズだらけの情報から対象物を認識することは非常に難易度の高い作業なのです。

そこで、コンピューターは画像認識の前に「画像を認識しやすくするための処理」を行います。その作業は画像処理と呼ばれており、主に以下のような手順で行います。

・画像のノイズを取り除く
・オブジェクトの輪郭を強調したり色合いを調節したりしてオブジェクトを抽出しやすくする
・画像からオブジェクトを切り出す

上記を行った後、コンピューターは画像データとラベルの組み合わせをもとに画像データの特徴を学習していきます。その学習を進めていくことで、画像データから対象物の特徴を判断することができるようになるわけです。

では、具体的にどのような分野で画像認識・画像解析が活用されているかご紹介しましょう。

 

検品工程における不良品判定、生産設備の故障予兆

AIの画像解析は工場などの生産過程でも活用が見込まれており、主な目的として不良品の検品が挙げられます。
例えば、カメラ撮影した検査物の画像から製品の個体差や汚れ、色ムラなどを認識して良品/不良品かを自動で判定します。
また、生産設備の不具合を事前に予測し、通知することで故障を未然に防いだり、設備に取りつけたカメラで画像データを収集し、それぞれの部品の劣化状態を分析して、故障の時期を予測します。24時間365日リアルタイムの監視が可能で、設備の状態を常時点検します。

 

医療における病理検査

医療分野でも画像認識技術は活用が期待されています。
従来、レントゲンやCTスキャンなどの画像から異常を見つけ出すのは医師の役目でしたが、医師の経験差によって判断にバラつきが出るなどの課題があります。
現在では、こうした課題をAIで解決する取り組みが複数行われています。例えば、大阪大学が実施した共同研究では、AIを用いて画像からがん細胞を検出するだけでなく、がんの種類までも識別させることに成功しています。
この画像認識モデルには深層学習を用いており、従来人の目では判別の難しかったより細かな特徴を識別します。
これが実用化されれば医師がより正確で客観的な情報を得られるだけでなく、患者が享受できる治療の精度向上も見込まれます。

 

製造業においても画像認識AIの導入が進む

医療の分野だけではなく、製造業においても画像認識AIの導入が進んでおり、注目を集めています。現場に監視カメラやセンサーを設置することによって、リアルタイムで情報を取得し、その情報をもとに分析・予測を行って業務効率化を図っていくという仕組みです。具体的には以下のような用途で画像認識を使用し、成果につなげています。

・作業工程を自動で監視

工場内に監視カメラを設置して作業工程を細かく撮影していきます。その撮影された映像をAIに読み込ませることで、適切な作業認識を学習させることが可能です。この適切な作業工程を学習した監視カメラを起動させておくことで、仮に従業員が作業手順を誤ってしまった場合にも、パトランプを点灯させるなどの方法でスタッフに指摘することができるのです。
人間が作業する以上、どうしても作業にミスが起きてしまう可能性は拭いきれません。また、業務を担当し始めたばかりの新人であれば、特にミスを起こしてしまう可能性は高いでしょう。そのような場合でも、画像認識AIの活用によってミスを減らすことができるようになるため、大幅な生産性向上が期待できます。

・検品作業にかかるコストを削減できる

一般的な検品作業の場合、従業員が目視で商品のチェックを行わなければなりません。そのため、従業員の経験値や体調などによってチェックの質に差が生まれてしまう可能性もあるわけです。しかし、画像認識AIを活用すれば「商品の正しい状態」を事前に学習した上で不適切な商品のチェックを行えるため、検品作業にかかる負担を大幅に軽減させることができるようになります。
何より、エラー件数が大幅に減ることで人件費も削減できるため、検品作業にかかるコストも削減することが可能です。人手不足が深刻化している現代において、人件費を削減できるという点は極めて大きなメリットといえるでしょう。

・安全な作業環境の実現

工場内の監視カメラに画像認識AIを導入することで、進入してはいけないエリアへの侵入を防ぐことなども可能になります。そのため、危険エリアに進入して事故が発生してしまうなどのトラブルを避けることが可能になるのです。
製造現場に画像認識AIを導入すると上記のようなメリットが得られるわけですが、実際にあるカメラメーカーでは、出荷される前に行われる同梱物チェック業務に画像認識AIを導入したところ、大幅な時短に成功したといいます。また、従業員の目視によるチェックでは時間を要するだけでなくミスも起きやすかったものの、画像認識AIによってエラーの件数自体も減少したそうです。

 

防犯カメラでの不審者検知

セキュリティ分野でも画像認識が活用されています。監視カメラによる画像をAIが様々な条件下で分析することによって不審者を高精度で検知するので人間の警備員による監視よりも正確に不審者を検出します。
例えば、肉眼では判別が困難な横向きの顔や明暗の強い屋外、また不審者がマスクやサングラスなどで変装している場合でも、高い検出率で不審人物を特定します。
検出には事前に入力した不審者リストの顔写真とビデオ画像とを照合し、リスト内の人物と画像内の人物との整合性を評価します。対象人物を検出した場合は警備員に通知を送り知らせます。
また、特定の不審者の割り出しだけでなく、不審な行動を取っている人物などを検出することも可能です。これらは本屋や小売店での万引き犯の対策などに活用が進められています。

 

SNSにおける画像解析

現在、SNSを用いたマーケティングにもAIの画像解析が活用されています。大量の情報が溢れるSNSは消費者のニーズを探る格好のマーケティングツールですが、膨大な日々の投稿の中から適切なものを選び出すのは困難です。
そこで、AI画像認識を使ってInstagramやTwitterに投降された大量の画像から特定の製品やサービスのロゴが写っている投稿を自動的に検出します。
これにより、従来では見つけることが困難だった消費者の動向に関する情報にリーチしやすくなり、自社の製品がどういった場面で利用されているか、またどのような属性の人が利用しているかといった情報収集に役立てることができます。

 

まとめ

このようにAIによる高度な画像認識・画像解析は今後も様々な分野で導入が進み、様々な領域で生産性の向上や業務効率に貢献していくでしょう。AIによる画像認識・画像解析を自社サービスや課題解決のソリューションとして活用したいとご検討されている方はぜひ一度ご相談ください。

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